薀蓄魂

■2005年07月12日(火)  貧乏人の工具選び〜其の1@ハンドツール編・前編〜
バイクを整備するには様々な工具が必要となります。ただ、これらの工具の殆どはバイクに限らず、機械いじりには必要なものですので、バイク整備を機に工具を揃えてみても良いのではないでしょうか。
今回は「貧乏人の工具選び」の1回目、ハンドツール編・前編をアップします。ハンドツールは一番一般的な工具ですが、そのために種類も非常に多く、一度で書ききれないと思いますので、前編・中編・後編に分けての執筆とします。以降、電動工具、特殊工具についても順次アップする予定です。

第一回目は最も身近なドライバーに関する薀蓄です。

ドライバーを所有していないお宅は恐らく無いと思われます。それくらい一般的な工具のドライバーですが、皆さんはどのようなドライバーをお持ちでしょうか?
ドライバーを選択する際の要素としては、+(プラス)/−(マイナス)のビット形状の他に、サイズ、貫通か否かと言ったところが挙げられます。他にもグリップの形状、材質、長さ等も要素に挙げられるかと思います。

バイクの整備を行うのにあたって”ねじ回し”として使用するのは、殆どがプラスドライバーです。しかし、マイナスドライバーも”こじる”のによく使いますので、結局のところ、+/−それぞれ、大・中・小の3種類、貫通式のものを購入することになります。では、計6本のドライバーをどれでも良いから買えば良いのか?というと、それは違って、”信頼できるブランドから購入する”のが正しい選択です。
ドライバーは安物を買うと、すぐにネジがなめてしまい、結局、高いものにつく場合が多いので、もともと高価な製品ではないので、あまりケチらずに、メジャーなブランド品を買うのが良いでしょう。

そこら辺で入手可能なブランドには以下のものがあります。

1.ノーブランド品(他の工具と一緒に十把一絡げのモノ)
2.VESSEL(ベッセル:国産で価格・品質のバランスは最高!?)
3.PB BAUMANN(スイスの工具メーカー。ドライバー以外にもヘキサゴンレンチ等も有名)

この中で”ノーブランド品”は絶対に買ってはいけません。VESSELかPB BAUMANNを買うのが無難です。もちろん、その他にも有名メーカーはいくつもあり、その製品を購入しても問題はないと思います。しかし、値段と品質の折り合いの関係か、そこらのお店ではあまりお目にかかりませんし、私はベッセルとKTC(ネプロス)のドライバーを使っていますが、正直、値段が3倍以上するKTCのドライバーよりベッセルの方が使いやすい(気分的に?)ので、通常はベッセルのみを使用しています。

複数のビットを交換して使用できるドライバーもありますが、一般の家庭用品ならいざ知らず、バイク整備のように力を掛けながら(場合によってはプラハンで殴りながら)使わなければならないので、買う必要はありません。インパクトドライバーはビットを交換して使用しますが、これは最初から叩きながら使うものなので、その限りではありません。

今回のウンチク:高価なドライバーは必要ないですが、それなりのブランド品を買わなければ、後で痛い目をみます。それなりのドライバーさえ買わないようなケチは、バイクに乗っちゃいけません凸(-","- )

■2005年07月07日(木)  ユーザー車検に行けなかった人達のために
刀の車検を受けに行ってきました。平日なので当然ながら年休を取っていったのですが、車検切れとなってしまったCBRのオーナー殿の料金明細を見ると、絶対にバイク屋にお願いしたくないと思っちゃうよねぇ。何しろ、自分で行くのに比べて3万円以上も高いんだもの。車検と言うと怖そうなイメージがあって、ついつい人任せになる方も多いでしょう。しかし、しばらく前に車検制度が改変されてから、以前にもましてユーザー車検はぬるくなっていて、自分で行かねば”損”と私は言い切ってしまいます。少なくともうちのチームの人達は、以下の記事を参考に、ぜひ、自分で行ってみてください。
※参考費用
絶対に必要な金額:自賠責(19,620円)+検査手数料(1,400円)+書類代(30円)+重量税(5,000円)=26,050円
ショップ料金:車検代行手数料(概ね2万円)+点検整備費用(概ね1〜2万円)
ユーザ車検:車検手数料(年休消化)+点検整備費用(趣味)
以上のように、何も無くてもショップに依頼すると3〜4万円掛かってしまいます。ここで、オイル交換やらプラグ交換をしていると、かなりの費用が掛かることがお分かり頂けるかと思います。

1.車検の準備
 ぬるくなったとは言っても、公的な検査を受けるのですから、何もせず・・・と言うわけには行きません。日頃からそれなりの整備をしていれば、直前に慌てて何かをする必要は無いのですが、車検の時くらいしか交換できない部品もあるでしょうから、最低限の部品交換などは自分のために、車検のタイミングで行っておきましょう。
 車検の時には定期点検記録簿も参考として一緒に提出しますので、それを見ながら車検整備をするのが一番です。今回の刀の車検では、以下の部品を交換しました。
・タイヤ(前・後、チューブ):ざっくり4万円
・エンジンオイル:ざっくり1万円
・プラグ:ざっくり3千円
※ブレーキパッドは残量が十分だったし、ブレーキフルードはエア抜きと同時に入れ替わっているので交換せず。バッテリは上がっていて押しがけで筋肉痛になるも、何とか復活したのでそのまま。他、チェーングリスの塗布とか、アクスルシャフトのグリスアップ、ワイヤーへの注油は日常的なメンテナンスなので、特に意識する必要はありません。
整備が終わったら、きちんと記録簿に書いておきましょう。当然の話ですが整備をするには工具が必要です。必要な工具については、薀蓄魂「貧乏人の工具選び(未執筆)」をご覧下さい。

2.車検の予約
 おそらく、どこの陸運支局も予約が必要なはずです。予約は予約専用番号に電話し、ガイダンスに従って行います。1週間前から予約可能なので、休み明けなど、車検場が混雑することが予想される日に行かねばならない時は、早目に予約してしまいましょう。予約時に予約番号を言い渡されます(って言っても機械にネ)ので、これは必ずメモしておいてください。

3.車検場へGO!
 車検は、午前と午後に分かれていますが、午前は11時半まで(だったかな?)なので、書類の記入時間や、忘れ物をした時の事を考えて早目に行きましょう。車検に際して必要な書類のうち、陸運局で購入するのは以下の3つです。
自動車検査票
継続検査申請書
自動車重量税納付書
窓口で「自動二輪の車検に必要な書類を下さい」と言えば、30円で売ってくれます。書類を購入し、必要事項を記入したら、検査手数料と重量税の支払いに使用する収入印紙を購入し、書類に貼り付けます。書類の準備が出来たら、以下の4つの書類と纏めて、検査受付窓口に提出します。
・車検証
・自賠責保険証
・自動車税納税通知書(領収書)
・定期点検記録簿
なお、書類ではありませんが、”印鑑”も必要になりますので、忘れずに持っていってください。
窓口での受付が済んだら、すぐに検査ラインに入ります。検査ラインでは、まず機械を使わず、検査員の方が次の検査を行います。
・ウインカー
・ホーン
・ブレーキランプ
・車体番号確認
・エンジン形式確認
・各部締め付け確認(柄の長い金槌のようなもので軽く叩いて緩みを確認します)
※消音装置の音量測定等はマフラーを変更している場合のみ実施
検査員による検査が終了したら、次に機械による検査が行われます。
・スピードメーター(習志野は速度が40kmを指した時点でスイッチを離す)
・ブレーキ(前・後)
・ライト(ハイビームでの明るさ・光軸ぶれの確認)
ライトの検査が終了したら・・・え?終わり?? そう、これで終わりです。あとは、出口で検査合格印をもらって再び受け付け窓口に提出したら、ものの10秒で新しい車検証を渡してくれます。
新しい車検証とともにステッカーが渡されるので、ナンバープレートに新しいステッカーに張り替えて車検終了!です。どうです、簡単でしょ?

さて、普通はここで書いているように、あっさりと終わってしまうのですが、私が車検場から帰るときに、バイク屋に向かってバイクを押して(乗って行くより押していった方が早いくらい近い)いる検査場で見たCBR600の人がいたので、落ちる人がいることも確認できました。しかし、落ちてもその日の内であれば検査料も払わずに受検できます(きっと)ので、車検に行く際には簡単な整備道具は持っていった方が無難です。ちなみに、車検を落ちる人の大半は光軸調整の失敗らしいです。

車検時の記入書類とラインに入るときの写真はリンクを張っていますので、雰囲気だけでも慣れてください。
※ラインは撮影許可が無いと撮影できないらしい。怒られた(^^;

今回のウンチク:車検は人のためならず!お金と安全を手に入れるため、ぜひユーザー車検を行いましょう。

■2005年01月17日(月)  ネットオークションは高いか?安いか?
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LAZOK会員の中には、今日現在、バイクを所有していない人もいますが、皆さん近日中にご購入予定との事でしたので、”ネットオークションは高いか?安いか?”を投稿しておきます。
さて、オークションでしばしばバイクの売買しているsasa1氏を例にとって検証してみる事にしましょう。

sasa1氏が購入したYSR80ですが、購入価格は4万円でした。しかし、写真の様に、とてもそのまま乗り続けられる状態ではなく、sasa1氏はネットオークションでパーツを買い集め、現在の状態にレストアしました。
さて、その内訳ですが・・・
・チューブレスのエアバルブがもげていた−>バルブ代金は450円だが、ホイールも錆だらけだったので、タイヤ付きを購入(前後で2,500円+送料1,350円+振込み手数料210円)
・フロントフォークが修復不可能なほど錆びていた−>きれいなフロントフォークを購入(左右で2,500円+送料1,350円+振込み手数料210円)
・ウインカーが点滅しなかった−>ウィンカーリレーを新品で購入(2,500円)
・フロントブレーキのマスタシリンダーのネジが固着して復旧不可能−>フロントブレーキ一式購入(2,500円+送料1,050円+振込み手数料210円)
・キャブレターからガソリンが漏れていた−>パッキンの購入(300円くらいだった?)
・バッテリがダメだった−>バッテリ新品を購入(2,100円程度)
・プラグがヤバイ状態だった−>プラグ購入(400円程度)
・全体的に錆びが酷くて、バラして再塗装。写真ではそこそこの錆に見えますが、錆の上に刷毛で銀色のペイントがされていました(ーー;)−>塗料を購入(アクリル塗料:12本程度+ウレタン塗料:3本+プライマー:2本で総額16,000円程度)
・その他、油脂類の交換・補充等−>手持ちで有った(金額換算で2,000円程度)

さて、sasa1氏のYSRのお値段ですが、総額75,000円程度となりました。さらに、sasa1氏は、現在の外装は暫定的なもので、外装をじっくり集めて、新規に塗装しなおすと言っていますので、ここから更に2万円くらいかかるんでしょうね。
もちろん、上記の値段には趣味の値段も含まれていますので、最低限必要な所だけであれば65,000円くらいでおさまったのでしょうが、それでも結構な金額です。オークションで75,000円出せば、きれいなYSRが購入できる(もちろん外装がきれいでも、なんだかんだで8万くらいかかりますが)ので、ボロを買って直すのは、滅多に入手できないバイクに限定した方が良さそうです。

今回のウンチク:現車確認可能な場合(試乗できればなお良し)、レストアが趣味として成り立つ人以外はオークションで買ってはいけません。もし、買いたい場合は、整備マニアの友人を拉致してからにしましょう。

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